代表世話人挨拶【第16回 循環器Physical Examination講習会】

第16回循環器Physical Examination講習会へようこそ

みなさん、循環器physical examination講習会へご参加いただき誠にありがとうございま
す。本講習会は2016年に惜しくも他界されました故吉川純一先生が創設された勉強会で今
回16回目を迎えます。吉川先生は日進月歩の医療医学の中にあって身体所見がなおざりに
されがちになっていることを憂慮されておられました。もちろん、身体所見だけですべて
が分かるわけではなく、種々の画像診断や検査所見を各症例に生かしながら診断治療をし
ていくわけですが、最新の画像診断といえども100%正しいということはあり得ませんし
、最新の画像診断同士で矛盾が生じることもあります。そんな場面では身体所見は極めて
有用です。それらを補完し、道しるべとなる役目を担っています。それどころか時には最
新の画像診断でも診断しえない病態を指摘できることもあります。身体所見は面白くて有
用なのです。これを皆様に是非体感していただきたく思っています。
今回の講習会はこれまでと少し趣を異にしています。これまでは先人たちにならって身
体所見を学ぼうというスタンスだったように思います。しかし、教科書に書かれている身
体所見は主として30年前、50年前の知見を元にしています。確かに普遍的な内容も多々あ
りますが時代は動いています。現代はTAVIの時代、カテーテルアブレーションの時代、心
不全パンデミックの時代、そして未曾有の超高齢化の時代です。30年前50年前の所見では
齟齬が生じる場面も出てきました。そういった背景もあって今回3点変更があります。1点
目、基礎編の時間を短縮しました。これは本講習会の弟分の講習会である『聴診のススメ
』を基礎編と位置づけ、初学者には聴診のススメに参加してもらい、本講習会では少し高
度な内容も追及していこうという意図です。2点目、症例検討にやや難解な症例も積極的
にいれました。これまでは典型例を中心にしていましたが現場では典型例だけではありま
せん。複雑に入り組んだ例も多いと思います。内容は少し難しくなりますが挑戦していた
だきたいと思います。3点目、研究編を開始します。これは身体所見をテーマにした臨床
研究を発表する場です。現代に即したエビデンスが出てくるように育んでいきたいと思い
ます。
本講習会で皆様が身体所見の面白さ、有用性を実感していただき臨床に生かしていただ
ければこれ以上の幸いはありません。宜しくお願い致します。

2018年秋
室生 卓

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