追憶 吉川純一先生 (循環器 Physical Examination 講習会 前代表世話人) 2017年6月22日

本日6月22日は、本講習会の創始者であり、前代表世話人でもある吉川純一先生の命日にあたります。

本講習会は、昨年6月に惜しくも他界されました吉川純一先生が2003年に立ち上げたもので、本年1月には第14回の講習会を迎えました。
皆様ご存知のとおり、吉川先生はphysical examinationの造詣が深くまた教え上手で、なによりphysical examinationを大変愛しておられました。
神戸市立中央市民病院時代の部長回診では、『心雑音は心臓が悲鳴を上げているんや!』とか『心尖拍動は心臓がここにいることを訴えているんや!』と所見を取りながら言っておられました。
我々弟子は言われた所見を確認するのに精一杯だったのですが、吉川先生はphysical examinationを通じて患者さんの心臓と対話し、またそれを楽しんでいるようでした。
ですから所見が何かしら生き生きとしているようで、我々も『いつかこんな風に所見が取れるようになりたい』と思ったものでした。

本講習会は吉川先生のphysical examinationへの情熱を引き継ぎ、現代医療の新しい疾患概念、新しい治療の中でのphysical examinationを学べる会として参ります。

最後に、講習会HPリニューアル時(2015年)に、吉川先生が受講者の皆さまに送られたメッセージをご紹介させていただきます。

デジタル情報全盛の現在、心エコー図やCT、MRIなどは極めて優れた検査法ですが、一番先に行うものではありません。あくまで問診やphysicai examinationが優先します。これらの診察により、これから行う検査がスムーズに流れるはずですし、患者さんとの心の触れ合いを開始することができます。本講習会で皆さんと共にphysical examinationの楽しさやコツを勉強したいと思っております。

吉川 純一