代表世話人挨拶【第14回 循環器physical examination講習会】

みなさま、第14回循環器physical examination講習会へようこそ。本講習会は循環器領域を中心にphysical examinationを学ぶ場として2003年に発足し毎年講習会を開催してまいりました。今年は本講習会にとって非常に大きな出来事がありました。会の発足からずっと代表世話人をされてこられた吉川純一先生が6月に惜しくも他界されたのです。それを受けて不肖私が代表世話人を拝命いたしました。室生卓(むろうたかし)と申します。浅学菲才ではありますがご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。

吉川純一先生はphysical examinationの達人であり、かつ循環器全般についての造詣が大変深い先生でした。言うまでもないことですが、physical examinationは所見が取れればそれでよい、というものではありません。他の検査所見も加味して病態を把握し的確な治療方針を立てなければなりません。Physical examinationで他の画像診断を凌駕するような所見が取れてもそれが治療に生かされなければ意味がないのです。すなわち本講習会としても治療や診断の進歩を継続的に学んでいく必要がありますし、現代の高度医療の中でのphysical examinationの価値、有用性を確立していく必要があります。古式ゆかしい診察の手技やお作法を学ぶ場ではだめなのです。新しい疾患概念、新しい治療の中でのphysical examinationを学べる会にしていきたいと思います。

本講習会が皆様にとって『現代医療におけるphysical examination』を学べる場となることを期待しております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

2016年11月
室生 卓