代表世話人挨拶
2026年度より、室生卓先生の後任として循環器Physical Examination講習会の代表世話人を務めさせていただくことになりました山崎直仁と申します。
本会は故吉川純一先生が2003年に循環器の身体所見を学ぶ場として立ち上げられた講習会であり、2025年までに第23回を数えるに至りました。
最初は神戸のポートピアホテルで現地開催していたのですが、コロナ禍を契機に2020年からはWeb形式に移行しています。
本講習会の目的は、日進月歩の現代医療の中で、ともすれば軽視されがちな問診、触診、視診、聴診とういう診療の基本を原点に立ち返って学ぶことにあります。
心臓は全身へ血液を拍出する動的な臓器であり、頚静脈、頸動脈、心臓の拍動や、心音、心雑音は体内血行動態を反映しており、そこから循環に関する情報を読み取ることができます。
いわば心臓は、身体所見を介して、その状態を我々に語りかけてくれているのです。
吉川先生は『心雑音は心臓が悲鳴を上げているんや!』とか『心尖拍動は心臓がここにいることを訴えているんや!』とおっしゃっておられました。
そのような心臓の声を聞き取らない手はありません。
医療における各種検査は時代の変化とともに古びて使用されなくなることがありますが、身体所見にはそのようなことはありません。
身体所見はいったんマスターすれば一生にわたって使える技術となり、高度な医療機器がない場面でも役立ちます。
身体所見は時代が変わっても普遍です。極端な例を挙げれば、江戸時代へタイムスリップしたとしても、聴診器があれば、心臓弁膜症は正しく診断できるのです。
本講習会が皆様にとって生きたphysical examinationを学べる場となることを願っております。
身体所見には学ぶ楽しさ、習得する喜びがあり、本会へ参加された後には、きっと日々の診察が楽しくなると思います。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

